完璧じゃなくていいんだよ-
CHAIと餃子にほれちゃった♡(前編)
連載「時の流れに身をまかせない!」第2回
平成生まれ昭和育ちの大学生、ぽんちゃんこと伊藤優果の連載、「時の流れに身をまかせない!」。
流行や周りの人たちに流されて生きるのではなく、時の流れに身をまかせないで、
ただただ自分の好きなものや好きなことをとにかく追い続けて地に足付けて楽しく生きたい!
そんな思いを胸に、音楽から食まであらゆる文化を探しに出かけます。さて、今日は?
みんなはコンプレックスって、ある? 私はある。出っ歯やデカ尻、貧乳… 挙げだしたらキリがないほどたくさんのコンプレックスに長いこと悩まされてきた。
けれどコンプレックスに対する思いが変わり始めたのは、CHAIの「N.E.O.」という曲を聴いた時から。「個性はどこにある?」「そのままがずっと誰よりもかわいい」と歌うCHAIは、4人組のオンナバンド。「NEOかわいい」や「コンプレックスはアートなり」をバンドのコンセプトに掲げて活動するCHAIは、宇宙が引っくり返るんじゃないかと思うほどのキラキラしたパワーを持って、わたしたちにメッセージを届けてくれる。
そんなCHAIのマナさん(Vo.&Key.)、ユウキさん(Ba.&Cho.)と一緒に、CHAI大好物の餃子を仙台で食べるというスペシャルな企画が実現!連載「時の流れに身をまかせない!」の第2回は、お二人と餃子を食べながら話したアレコレについて。
前編では、バンドのコンセプトや、昨年リリースされた1stアルバム『PINK』のお話。CHAIのファンはもちろん、コンプレックスに悩んで鏡を見るたびにため息をついてしまうあなた、つい周りの人や流行に流されてしまいがちなそこのあなたも必読!
仙台の老舗 餃子アップルでほれちゃった
CHAIのマナさん、ユウキさんと訪れたのは、青葉区立町にある餃子アップル。黄色の屋根にピンクのドア、窓には謎のキャラクターが描かれている、何ともレトロでキャッチーな外観のお店なのだ。黙々と餃子を焼くおじさんが超かっこいい。
ぽんちゃん(以下、ぽんちゃん)
CHAIのみなさんは、餃子がずっと好きなんですか?生まれたときから(笑)?
CHAI マナさん(以下、マナ)
好き~(笑)。
ぽん
餃子の何が好きなんですか?形?色?味?
CHAI ユウキさん(以下、ユウキ)
え~、なんだろ~。餃子ってなにかと食べたくなるよね。野菜多いのが好き。ポリポリ食べちゃう。
マナ
小さいころから一番身近な食べ物だったの。作るのも好きで包みまくってた。
ユウキ
CHAIハウス(CHAIのメンバー4人が暮らしている家)でも作ってるよ、こねこねこねって。おいしいよねー。
ぽん
餃子への愛がものすごく伝わってきます。だって、歌にもされてるじゃないですか。恋の歌なのかと思って聴いていたら、ひと口つまめばって歌詞で、ん?って(笑)。
餃子への愛が歌われている「ほれちゃった」
マナ
このPVは香港で撮影したよ。
ぽん
衣装もすごい可愛かったです。
マナ
あれパジャマなんだよー。
ぽん
えぇっ!
ユウキ
もともと白っぽかったんだけど、ピンクに染めてもらったの。
ぽん
風にはためいてて、きれいで、街にいい感じになじんでましたね。
ユウキ
ちょっと目立ったけどね(笑)。でもピンクと赤って無敵の組み合わせじゃない?
マナ
わ!餃子来た!
一同
いただきま~す!
ユウキ
おじさん、めちゃくちゃ美味しい!
餃子アップル店主(以下、おじさん)
ありがとう。
ぽん
お二人とも、餃子を食べるスピードが早くて飲んでるみたい!(笑)。
ユウキ
箸が進みすぎてもうなくなりそう。
おじさん
この店で46年やってるからね。デビューして2年目のチェッカーズも来たことがあるよ。
一同
えぇ~!
おじさん
あなた方はバンドっていうけど、どんな音楽をやっているの?
マナ&ユウキ
気持ちはロック!
おじさん
あ~そうなの。仙台で?
マナ&ユウキ
東京に住んでます! でも地元は名古屋!
ぽん
今日はこの後、車で東京に帰られるそうなんです。
おじさん
それは大変だ。気をつけて帰るんだよ。休みながらね。
マナ&ユウキ
ありがとう~!
ぽん
おじさん、すごく優しい…。では、早速餃子を食べながらお話を聞いていきますね。
CHAIの4人もコンプレックスに悩み、
ネガティブだった!?
ぽん
CHAIの皆さんはどのようなコンセプトを掲げて活動されているのですか?
マナ
「NEOかわいい」と「コンプレックスはアートなり」だね。
ユウキ
そうだね。コンプレックスはもともと4人がめちゃめちゃ持っていたものだし、それがあるせいで学生時代はすごくネガティブだった。
マナ
今までは、どうしたら目立たないかを考えながら生きてきたの。「目立たないように目立たないように」って生きてきて、それが今爆発している感じ(笑)!
ぽん
えっ!? そんなにネガティブだったんですか!
ユウキ
そうなの。みんな本当はかわいいはずなのに、かわいいと呼ばれる範囲がものすごく狭いと思う。絶対に目が大きくなきゃいけない、脚が細くなきゃいけない、肌が白くなきゃいけないとかね。その範囲の外の人はかわいくない、みたいな暗黙の了解で部類分けされているのはおかしいと思っていて。絶対に人それぞれ違う良さがあるはずだし、かわいくない人はいないよってことで、「NEOかわいい」って言っているんだよね。
コンプレックスは個性であり、アートであることについて歌う「N.E.O.」
ぽん
確かに!特に中学生とか高校生の頃は、クラスに美人でスタイルが良くて、制服をおしゃれに着こなしているようなイケイケな女の子が何人かいて、その子たちはかわいいってみんなから言われていたけれど、それ以外はかわいくない、みたいな空気が何となくあったような気がしています。
マナ
分かる~!すごく分かる!
ユウキ
学校みたいに社会が狭いと、余計そう感じちゃうよね。でも、そんなの気にするところが違うと思う。コンプレックスってみんなと違うからこそコンプレックスなわけであって、でも逆に言ったら羨ましいほどの個性だと思うし、それに気付いたらみんなポジティブになれるはず。ポジティブになるだけで世界が変わるから、それに気づいてほしい!
ぽん
コンプレックスを武器にすることができたら、すごく自信につながりそうですよね。でもCHAIの皆さんの歌を聴いてコンプレックスを前向きに捉え始めて、人生変わったよっていう人はきっとたくさんいると思います。
マナ&ユウキ
そうだったら嬉しいな~。
ぽん
ちなみに、4人の出会いは何だったんですか?
マナ
もともと、私と双子のカナ(Vo.&Gt.)とユナ(Dr.&Cho.)の3人は高校で出会っていて、そのあとにユウキに出会ったの。ずっと音楽が大好きでバンドをやりたいと思っていて、やるならドラムは絶対ユナだった。ユウキは音楽をやったことはなかったけど、すごくセンスが良かったから絶対できるだろうと思って誘ったんだよね。ベースしか余っていなかったから即ベースに決定(笑)。
ユウキ
そうそう、誘われたもののベースしか余っていなかった(笑)。
マナ
それは何年前だったかな~。2015年くらいから活発に活動し始めたの。それまでは全然活動していなかった。
ぽん
活動に火が付いたきっかけはあったんですか?
ユウキ
やるなら本気でやりたいし、音楽で食べていくには名古屋に居ちゃいけない!と思ったんだよね。
2017年3月に行われたUSツアーの合間にPVを撮影した「sayonara complex」
4人が完璧じゃなかったから出来たアルバム『PINK』
ぽん
名古屋から東京に活動拠点を移してから、今日までいくつかのミニアルバムや7inch、そして昨年10月にはアルバム『PINK』をリリースされましたね!『PINK』には、どんなメッセージや想いが込められていますか?
マナ
やっぱりバンドのコンセプトの「コンプレックスはアートなり」や「NEOかわいい」を歌っているんだけど、何となく最後の11曲目「フラットガール」がアルバムのテーマになっているかな。I’m not perfect!! Nobody’s perfect!
ぽん
あ~もう、それです! その言葉にすごく救われています。このアルバムの中では「フラットガール」が一番お気に入りです。
マナ
本当?嬉しい!『PINK』は4人が完璧じゃなかったからこそできたアルバムだと思うし、完璧じゃなくて良いんだよっていうのは、CHAI自身が言われたかった言葉なんだよね。言われたかった言葉を一番歌詞に表現できた曲が「フラットガール」。
ユウキ
だからきっと、私たち以外にも言われたい人はいるんじゃないかなと思ってる。この言葉で元気が出てくれたら嬉しいな。
ぽん
出ました!!!
マナ&ユウキ
良かった~(笑)。そう言ってもらえることがいちばん嬉しい!
ぽん
聴くとこんなにも元気が出るアルバムに出会えたこと、本当に嬉しく思っています。
後編は「私はこれが好き、ということに臆病にならないで!」、「勘違いって本当に大事!」、「仙台のみんな、これからもCHAIを見ていて!」の3つのお話。
>> 後編はこちら
完璧じゃなくていいんだよ-CHAIと餃子にほれちゃった♡(後編)
周りに流されないで自分の「好き」を追いかけることや、コンプレックスをポジティブに受け止めようというお話。
餃子アップル
住所 仙台市青葉区立町6-16 電話番号 022-261-6632 営業時間 月~土 17:00~23:00 日 17:00~22:00 祝日定休
CHAI
ミラクル双子のマナ・カナに、ユウキとユナの男前な最強のリズム隊で編成された4人組、『NEO - ニュー・エキサイト・オンナバンド』、それがCHAI。 誰もがやりたかった音楽を全く無自覚にやってしまった感満載という非常にタチの悪いバンドで、2016年の春以降、突然いろんな人が「CHAIヤバい」と韻を踏みながら口にし始め、ある日突然ノンプロモーションなのにSpotify UKチャートTOP50に代表曲『ぎゃらんぶー』が突如ランクイン! (※最高位36位)。 2017年、アメリカ・テキサス州で行われる世界最大規模のショーケース、SXSW出演と初の全米8都市ツアーも決定し、4月26日に今現在のCHAIのヤバさがすべて詰め込まれた2nd EP「ほめごろシリーズ」をリリース。 その常軌を逸したライブパフォーマンスを観てしまった全バンドマンがアホらしくなってバンド解散ブームすら起こりかねないほど、彼女たちに触れた君の2017年度衝撃値ナンバーワンは間違いなく『NEOかわいいバンド』、CHAIだよ! http://chai-band.com/
企画・編集 高野明子 撮影 三塚比呂