アンファミリア・ヘッズ —見慣れない頭部—
第9回「Japon Geisha」(ジャポン ゲイシャ)
この作品は、仙台在住のフランス人フォトグラファーのマチュと初めてコラボレーションしたものです。マチュから出てきたお題が「サイボーグ的なゲイシャ」。
そう聞いて内心は(ゲイシャって海外の人ウケする、エキゾチックで神秘的なジャパニーズアイコンの一つだし、そこからインスピレーションを得てつくられた不思議ゲイシャみたいなものも、よくあるよねぇ、嫌いじゃないけど……)と少し抵抗を感じながらも、(よっしゃ! やるか!)と、打ち合わせ後にすぐにメイクアイデアをいくつかスケッチしました。
モデルさんの顔写真を紙に出力して、その上に色付けしたものを眺めながら、マチュとやりとりしてイメージを決めていきました。
(さて、ヘアはどうしようか?)と考えたときに、やはり日本髪の雰囲気は外せないポイントで、サイボーグチックなイメージをつくるために光沢のあるワイヤーのように見える素材を使い、ウィッグのようにすっぽり頭に被るヘッドピースを製作しました。実はこれは園芸用のプラスチック製のグリーンのネットを使っているんです。製作途中で、カラーは素材そのままのグリーンでいこうか、ブラックに塗装するか悩みましたが、フォトグラファーのマチュに相談してブラックに決定。そして着物風の衣装は、刺繍が華やかな古典柄の帯をいろいろ集めて、何枚も重ねて着物チックに。
撮影当日、モデルさんの顔の白塗りのカタチを左右対称にとるのが難しいため、型紙をつくって輪郭をとって進めました。モデルさんも「こんなのはじめてー」と白塗りに目元のペイント、ライトグレーのカラコンに、きゃっきゃ♡と楽しんでくれていました。私自身もとても楽しい撮影でした。
Photo : Marrhieu Moindron
Headpiece/Make-up : Yoko Zaikawa
「Japon Geisha」2017年
素材:プラスチックネット、塗料