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ホシヤマインターナショナル
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ホシヤマインターナショナルとラプラス

《特別号!!》BGM for Tomorrow
ホシヤマインターナショナル
/ ラプラス

 新型コロナウイルスによって学生・就活生・新入社員の皆さんは、さまざまな影響を受けたのではないでしょうか。
 ウェブマガジンBGMは、宮城県内の企業の現状を知るべく、これまで取材をさせていただいた企業にインタビューしました。

 今月はホシヤマインターナショナル株式会社の専務取締役菊地信治さんと、株式会社ラプラス執行役員総務部長の堀田耕介さんにお話を伺いました。

Jun 30, 2020       

《特別号!!》BGM for Tomorrowホシヤマインターナショナル/ ラプラス

人の心を動かす優れた仕事をしている方にお話を聞く特集 “お仕事の極み”

ホシヤマインターナショナルの過去記事はこちら!40年の時を越えて 受け継がれる思いコーヒー+αの価値を 空間・接客・演出で
ラプラスの過去記事はこちら!時代の流れを読み、日本のモノづくり産業を支えていく――

 

「負けてなるものか」今だからこそ変革を。
ホシヤマ珈琲店の挑戦

 「時を楽しむ」をコンセプトに、地元で長年愛され続ける「ホシヤマ珈琲店」をはじめ懐石料理、ベーカリー、カフェなど多様に店舗展開するホシヤマインターナショナル株式会社。行政による休業要請や市民の外出自粛により、すべての事業に大きなダメージを受けました。「負けてなるものか」と奮起する思いを聞きました。

ホシヤマ顔写真

ホシヤマインターナショナル株式会社
専務取締役
菊地信治さん

 休業要請や外出自粛が解除された後も外出を控える人が多く、警戒モードは解けません。特に夜の飲食営業は非常に厳しい状況です。明るい展望が持ちづらい中で、なんとしても守りたいのは雇用の継続です。ともに頑張ってきてくれた従業員とその家族、4月1日に迎え入れた13人の新入社員の生活を守ることは、企業としての責任です。国や自治体の制度も活用しながらしのいでいます。

 苦しくてもホシヤマの灯を消すわけにはいきません。社内は今、前向きな強い決意に満ちています。事態が収束しても以前とまったく同じ世の中には戻らないだろう。そして、コロナ禍以前からコーヒー文化の高まりで、他店との差別化が求められていました。ならばわれわれも全社を挙げて変わるべきだと考え、現在「リボーン(生まれ変わる)」をテーマに変革の構想を練っているところです。

 目玉はホシヤマ珈琲店のみで提供する新商品「焼き食パン」。ホシヤマグループがこれまで培ってきた技術を生かし「コロナ禍に負けてなるものか」という意気込みで開発しました。

 原材料も製造方法も新たに最上級のコーヒーにこそ合うワンランク上のパンです。軽く焼くと小麦の風味が際立ち、最高に美味。お客様に、焼き立てのトーストやクラブハウスサンドを、ホシヤマの空間の中でコーヒーとともに味わって至福の時間を過ごしていただきたい。製造にあたっては専用工房に新しい機械を導入するため、インターネットで資金を募るクラウドファンディングを実施します。この挑戦を通して、多くの方に私たちの切なる思いとこだわりをお伝えできればと思います。

 私たちには守り続けた「ホシヤマイズム」があります。お客様に幸せを感じていただくために最善を尽くす、おもてなしの心です。この理念は、どんな状況になろうと変わりません。根底にしっかり据えながら、枝葉をいかに時代に合うようシフトしていくか。将来振り返ったときに、あの時頑張ってよかったと思える変革を成し遂げたいです。

 
宮城の老舗コーヒー店のホシヤマ珈琲店アエル店の様子訪れた人の雰囲気に合わせてカップをセレクトするのもサービスのひとつ
 

ホシヤマインターナショナルの過去記事はこちら!40年の時を越えて受け継がれる思いコーヒー+αの価値を 空間・接客・演出で
 
 
 
 

チャンスをつかむ準備をしよう

 思うように動けず、自分らしさを発揮できずにいる学生や就活生、新入社員の皆さんへ、温かいエールを送ってくださいました。

 使い古された言葉かもしれませんが「明けない夜はない」と伝えたい。それまで、心折れずに頑張ろう。われわれも同じ思いでめげずに前を向いています。過去にはバブル経済の崩壊、リーマンショック、東日本大震災……社会はどんな困難も乗り越えてきた。それは歴史が証明しています。

 チャンスは誰にも必ず巡ってくるものです。しかしアンテナが張られていない状態では、それに気づかず、機会をつかむことができません。いつも心の準備をしておくことが大切です。自分から行動するエネルギーがまだないという人は、誰かとつながりましょう。友達と電話で話すのもいい、インターネットやオンラインゲームで交流するのもいい。人との関わりは心を保つ安定剤にもなりますよ。

●ホシヤマインターナショナル株式会社

 1974年創業仙台市本社。「ホシヤマ珈琲店」「NewAiry」「THE MOST COFFEE」「華泉」「華の縁」「THE MOST BAKERY & COFFEE」の8店舗を展開。創業当時から受け継がれる接客・空間・演出で多くの人に愛され続けている。 http://www.hoshiyama.co.jp/

 


 

ITをフル活用!
逆境で生まれた「ものづくり」を支える工夫

 株式会社ラプラスはネジ一本から工具、機器、産業ロボットまで、ものづくり現場の必需品を幅広く扱う機械工具商社。取引先は全国各地から海外にも及びます。営業活動は「顔を合わせ直接話す」ことが基本ですが、人の行き来がままならないコロナ禍をどう乗り越えたのでしょう。逆境で生まれた新しい仕事のスタイルを聞きました。

ラプラス顔写真

株式会社ラプラス
執行役員 総務部長
堀田耕介さん

 弊社の営業は東北を中心に全国にある事業所・営業所で活動しています。メーカーの担当者を伴って出張することも多く、人と会うことや移動が制限された今回の事態は、相当な痛手となってもおかしくありませんでした。ですが、以前からITの活用に取り組んでいたことが功を奏しました。商品のPR動画を自社制作し、ビデオ通話で展示会や商談を行う経験を積んでいたのです。これらのツールをフル活用したことで、直接会えなくても十分にコミュニケーションが取れ、メーカーにもお客様にも喜んでいただけています。

 コロナ禍はお客様にとっても未曾有の事態ですから、働き方を変えたり機械を入れ替えたりとご相談も多くあります。当社はそこで素早く対応できただけでなく、新しいアイデアや仕事も生み出すことができました。しかしITだけでは仕事はつながりません。これまでに培った信頼があればこそですから、やはり人にしかできない仕事はあると実感しています。

 私たちの仕事は人体に例えると「血管」。日本が誇るものづくりを守るために、決して止めてはならない。「なんとしてもお客様へ製品を届ける」という気概がわれわれのプライドです。コロナ禍に先駆けて、ITツールの導入というステップを上がっていたのは大きなアドバンテージでした。それは創業以来、時代に合わせて柔軟に変化し続けた社風が根底にあったから。今後もチャレンジする姿勢は変わりません。現在は、離れた営業所同士で、同じ業務にあたる社員が常時つながるネットワークを構築しようと計画中です。実現すれば、より効率よく質の高い仕事ができます。

宮城に本社がありものづくりを支える機械工具商社株式会社ラプラスが扱う商品の写真ラプラスで取り扱う商品の一部。お客さまの「あれがほしい」に応えています

ラプラスの過去記事はこちら!時代の流れを読み、日本のモノづくり産業を支えていく――
 
 
 
 

経験を積み
選択肢を増やそう

 春の新生活に「ステイホーム」を余儀なくされた学生や新社会人の皆さんへ、いつもと違う日々の過ごし方や就職活動の考え方のアドバイスをもらいました。

 時間がたっぷりあるなら、初めてのことに挑戦しては。将来役に立つことでなくていいですよ。例えば一人でキャンプをする、知らない作家の本を読む、今までにないタイプの人と友達になるとか。変化の激しい時代ですから、10年後、20年後にどんなスキルが役に立つか分かりません。コロナ禍のような災厄がまた襲ってくることもあるでしょう。幅広い経験を積むことは、それだけ自分の中の選択肢を増やす、つまりどんな社会でも生きていける力につながります。

 就職活動では「これがしたい」と仕事を限定するより、「働くことを通して自分はどうなりたいか」をイメージするほうが視野が広がります。名前も知らない企業に入ったら思いがけず仕事が面白かった、というケースは多いもの。弊社は学生にあまり知られていないので、よくそう言われます(笑)。就職は新しい世界に触れるチャンス。いい出会いをつかんでください。

●株式会社ラプラス

 宮城県仙台市に本社を構える機械工具商社。商材はネジ1本から産業ロボットまで多岐に渡る。小さな町工場から日本を代表する大企業まで幅広く取引を行い、モノづくりの現場を総合的に支援している。 https://www.laplace.co.jp/

 

二人が考える、
必要とされる人材

社会で活躍し貢献できるのはどんな人材? 上司や採用担当者は、新入社員や就活生の何を見ているの? 若者が聞きたいことを、お二人に語ってもらいました。

素直・プラス思考・勉強好き
宮城の老舗コーヒー店を運営するホシヤマインターナショナル株式会社の専務取締役菊地信治さんの写真 
菊地さんが求める人材には「素直」「プラス思考」「勉強好き」の3つのポイントがあります。「株式会社船井総合研究所の創業者、船井幸雄さんの言葉ですが、端的に言い当てている」と菊地さん。「物事を前向きにとらえ、人の話に耳を傾け、情報や知識を貪欲に吸収する姿勢が、困難も乗り越える力を育てます」と話してくれました。

 
 

変化とチャレンジを怖がらない人
宮城のものづくり産業を支える株式会社ラプラスの総務部部長の堀田耕介さんの写真
 「一緒に働きたいのは変化とチャレンジを怖がらない人」と堀田さん。「指示されたことだけでなく、常に新しい何かを生み出そうとする人は、コロナ禍のような有事にも柔軟に対応できて頼もしい」。若手と面談するときは、ついこぼれる本音に注目するそう。「練習してきた言葉ではない、その人らしさを聞きたいですね」と話してくれました。

 

働き方を考える、
読むべき一冊!

書物から得る学びや気づきは多いもの。まだ見ぬ世界や新しい価値観と出合えることもあります。お二人が「仕事人としての自分に影響を与えた本」を紹介してくれました。

鎌田洋のディズニー サービスの神様が教えてくれたことの表紙

鎌田洋『ディズニーサービスの神様が教えてくれたこと』(SBクリエイティブ)

 菊地さんはディズニーの経営哲学に関する本をいくつも読んだそう。そこに解説されるのは、お客様の幸せのためにスタッフ全員が臨機応変に対応する「夢の国」は、どう作られているのか。「ホシヤマイズムに通じる意識が実践されていて、真のホスピタリティを考えさせられます」。

狩野みきのハーバード・スタンフォード流 「自分で考える力」が身につくへんな問題の表紙

狩野みき『ハーバード・スタンフォード流「自分で考える力」が身につくへんな問題』(SBクリエイティブ)

 堀田さんが紹介するのは『ハーバード・スタンフォード流「自分で考える力」が身につくへんな問題』。クリエイティビティやクリティカルシンキング(批判的思考)、心の知能指数、認識の柔軟性といった社会人として伸ばしたいスキルを、楽しみながらトレーニングできます。「読書は移動中の楽しみ。軽い読み物を選ぶことが多いです」。

 
 
※こちらの記事は、2020年6月30日河北新報朝刊に掲載されました。
BGM6月号ホシヤマインターナショナルとラプラスの河北新報朝刊掲載記事
※この記事の取材は6月に電話で行いました。

撮影
株式会社ラプラス:Harty(川島 啓司)

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