オリジナルのウェディングペーパーアイテムで
想いを伝えよう
Beauty! Good! Miracle! vol.15
こんにちは! ウェディングプランナーとしてプロデュース会社で働くかたわら、「atelier soak」を主宰している小山田純子と申します。
BGMの読者の皆さんは、結婚式にどんなイメージを持っていますか?
ご親族やご友人の結婚式に出られたことがある方や、これからご自身が挙げる結婚式に夢や憧れをお持ちの方もいらっしゃると思います。
私の仕事は、「既成概念にとらわれない結婚式」をつくること。結婚式は、時代やニーズに合わせて新しいスタイルやアイディアが次々と生み出され、進化を続けています。
例えば、結婚式をする場所ひとつをとっても、これまでは式場やホテルなどが主流でしたが、今ではカフェやキャンプ場、ライブハウス、古民家など実にさまざま! 夫婦の数だけ、結婚式のかたちが存在するのです。
古き良き昔ながらの伝統を重んじながらも、お二人らしさをどう表現するのか?
時には式や披露宴の演出方法を企画したり、時には装飾やアイテムのデザインをしたり、そしてある時には不安や疑問を解決できるように良き相談相手として、新郎新婦に寄り添いながらお手伝いをさせていただいています。
さて、冒頭で「既成概念にとらわれない結婚式」とお話しましたが、具体的にどんなアイディアがあるのか、今回はペーパーアイテムに限定して、実際に私が手がけてきたものと共にご紹介したいと思います。
従来のウェディングの招待状やペーパーアイテムの多くは大量生産の既製品で、既存の文章を大幅に変えたり、一部を手書きに変えたり、イラストを付け足したりなどの融通が利きません。だからこそ、一からオリジナルで作るものは、それだけで強いインパクトがあります。
結婚式をつくる上で一貫して私が大切にしたいと思っているのは、自分の想いを込めること。ぜひその点にもご注目ください。
まずはじめにご紹介するのは、招待状に直筆メッセージを入れるというアイディア。
こちらは形にもこだわった招待状で、会場となった美術館の空間を表現しています!
ご覧いただきたいのは手書きのメッセージ。事前に新郎新婦に、お越し頂くゲストにどんな風に当日を過ごしていただきたいかをヒアリングした時、お二人が語ってくださった想いがとても素敵だったので、それをそのまま直筆で書いていただき、載せました。
招待状は、新郎新婦とゲストが初めてコンタクトを取るツールなので、そこで想いを伝えられると、数カ月後の結婚式をさらに楽しみに待っていただくことができます。
メールやラインでも用が済むこの時代に、あえての手書きは、より新郎新婦の想いが伝わりやすいアイディアです。
続いては、テーブルナンバーの代わりに思い出の本をディスプレイするというアイディアです。
学生時代、同じ文学部に所属していた新郎新婦。本をモチーフにしたアイテムを考えるうちに思いついてご提案したのが、ゲストを象徴する本をそのまま飾るというアイディアです。ゲストをイメージした小説や漫画の他、高校時代を共に過ごしたご友人のテーブルには思い出深い化学の参考書が置かれ、パラパラとめくっては懐かしい話に花を咲かせていらっしゃいました。
テーブル名は、A、B、Cなどのシンプルな名前がスタンダードですが、丁寧に選び抜いた本が目印のテーブルは、きっとゲストの心に残るはず。
それぞれのお席には、図書の貸し出しカードをモチーフにした席札兼メニューを置き、世界観の統一もはかっています。
最後は、一石二鳥にも、三鳥にもなるクロスワードの演出です。
ゲストが楽しみながらより深く新郎新婦のことを知っていただくための演出のひとつとして、テーブル対抗で取り組んで頂いたクロスワード。
プロフィール紹介の方法は、司会者が原稿を読み上げたり、生い立ちや馴れ初めをまとめたムービーで見て頂くことがほとんどですが、この結婚式では、オリジナルのクロスワードをプロフィール紹介の代わりとしました。クロスワードを解くためのヒントは、ウェルカムスペースの装飾や席次表をよく見ると、そこにヒントが隠されています。新郎新婦やご家族、ご友人に聞くことで初めて解けるカギもあります。
結婚式で叶えたいことを新郎新婦にヒアリングすると、パーティー中にゲストとできるだけ話したい、ゲスト同士に交流をしてほしいという要望も多く頂きますが、これなら新郎新婦がゲストと自然にコミュニケーションを取ることができますし、ゲスト同士も交流できて一石二鳥。さらに、この日のために準備したアイテムをじっくり見たりしていただけて、一石三鳥です!
コロナ禍により、結婚式も転換期を迎えています。今まで当たり前に行われていた演出も、本当にやるべきか、改めて意味を問う必要があります。その結果、新郎新婦が本当にやりたいことが詰まった、今までより純度の高い結婚式になればいいなと思っています。
今回はウェディングでのペーパーアイテムのアイディアをご紹介しましたが、結婚式以外にも応用できると思います。
例えば友達に誕生日のプレゼントを贈る時、品物と一緒に直筆のメッセージカードをつけたり、その人との思い出が蘇ってくるような本や雑貨を選んだりと、相手のことを考えて選んだものの方が想いが伝わりますよね。
大切なのは、結婚式でも、日常でも、きちんと想いを伝えること。
会いたい人に自由に会えない今だからこそ、自分なりの想いを伝える方法をぜひ考えてみてくださいね。
atelier soak
https://www.instagram.com/ateliersoak_wedding/