仙台駅西口のペデストリアンデッキを南町通りへ進む。今年で70年経つという、仙台市民の台所、仙台朝市。威勢の良いかけ声を背に市場を歩くと、ひょっこり現れるコロッケ専門店がある。
店頭には、お惣菜を買い求める主婦の方、若者や海外から旅行で来た方など、次々とお客さんが訪れ、注文を受ける、コロッケを渡す。厨房ではコロッケを絶え間なく揚げ続ける。次々に……そんな光景が繰り返されている。
ショーケースには、素朴で懐かしい定番の「じゃがじゃがころっけ」や、「ハムチーフライ」「ハムカツ」「かにクリームコロッケ」「ひれかつ」など、多い時には惣菜が20種類ほど並ぶ。
ころっけや3代目主人
70年前に仙台朝市がスタートしてから、数年後に市場の青果店に誘われて今のご主人のお祖父様が開業した。創業当時、お惣菜は「じゃがじゃころっけ」だけでお店をスタートした。当時の価格は5円だったという。
「祖父の代から初めて、僕で3代目。祖父と父と3人で並んで作った期間がないので残念です。祖父が亡くなり、父が亡くなり、3代目としてバタバタと僕が父から引き継ぎました。長く父と2人で作りたかった。」と話すご主人。
3人が揃う期間は無かったけど、お父様から学んだ作り方やノウハウ、思いを大切に味を守っている。今は5坪ほどの店内で、8人の従業員で営業している。何十年と変わらない味を受け継ぎ作り続けている、3世代の想いが詰まった老舗のコロッケの味は格別だ。
看板は、2カ所あり「齋藤惣菜店」と、オレンジ色に黒一色でシンプルに店名が書かれている。
店舗正面の看板
店舗側面の看板
店名
齋藤惣菜店 ころっけや
業種
惣菜店
創業年
1955(昭和30)年
フラフープ大流行、東京タワー完成、「イカす」という言葉が流行。
看板制作年
店舗左側の看板は1975(昭和50)年
店舗正面の看板は2008(平成20)年頃
制作者
市内の看板屋さん
温かみのある店舗や、コロッケをイメージしたという、オレンジ色の看板。
あつあつコロッケがお客さんに伝わるよう、暖色系のオレンジ色にしたという。
素材
プラスチック
自慢できること
何十年と変わらない味。作り方。
看板商品
じゃがじゃがころっけ・ハムチーフライ・めんちカツ・季節の惣菜(冬季限定はかきクリームころっけ)
市場の通りをよく見ると、揚げたてコロッケを美味しそうに頬張り、自分達の姿を自撮り棒で写真を撮っている外国人観光客の方々が!最近では、SNSや口コミを見て買いに訪れる外国人観光客の方々が増えたとのこと。
「台湾や韓国、中国のお客さんが、コロッケを食べて『おいしい!』と言ってくれるのが本当に嬉しい。」
とご主人が話してくれた。
じゃがじゃがころっけ
「じゃがじゃがころっけ」は素朴で懐かしい味。塩、コショウのシンプルな味付け、隠し味にザラメを使用。1日に使用するじゃがいもはなんと60kg! 創業当時(初代のご主人=お祖父様の時)から通ってる常連さんは味に厳しく、「前の味と違う」という指摘をいただくこともあった。それを受けて一生懸命取り組んだことで、今では常連さんも認めてくれたそう。1日に販売する惣菜は2,000個。そのうち「じゃがじゃがころっけ」は1,500個を占める。
ハムチーフライ
ベストセラーの「ハムチーフライ」。厚みがあって食べ応えあり。
めんちカツ
ひれかつなどのカツ類や定番めんちカツも売れ筋。「めんちカツ」は長年人気がある定番商品! ジューシーで溢れる肉汁たっぷり。「めんちカツ」「ひれかつ」などのカツ類は定番の売れ筋。
かにクリームころっけ
クリーミーで、とろっとろのホワイトソースにかにの味がよく合う「かにクリームころっけ」。寒い時期は特に人気が出るそう。
かきクリームころっけ(冬季限定)
「かきクリームころっけ」や、「ビーフシチューころっけ」など、店頭に、時々並ぶ変わり種コロッケもある。
仕事終わりにみんなでコロッケ
その場で揚げたてのアツアツを頬張るのが楽しい! みんなでワイワイ食べるともっと楽しい!
ここで一句
へいらっしゃい、元気な声にテンションあがる
お肉に野菜にお魚に、ここは、杜の都の台所
熱々コロッケ頬張りながらあの子と歩く仙台朝市
杜の都の台所、仙台朝市を歩いてみれば行き交う人や飛び交う声に、元気が湧いてきて、熱々のコロッケを頬張りながら楽しく歩いてみると、心がとっても温まるのです。
明日も看板を求め、みちのく一人旅はつづく。
齋藤惣菜店 ころっけや
住所 仙台市青葉区 中央4-3-27大徳ビル1F 電話番号 022-267-1569 営業時間 09:00~18:00 ※商品がなくなり次第終了 定休日 日曜日、祝日