タピオラ
仙台駅東口から歩いて5分。EKITSUJIとBiViを通過して蕎麦屋を左に曲がる。すると、すぐ左手にある雑居ビル。ビルのれんがと同じ赤茶色のひときわレトロでノスタルジックな看板がある。周囲の予備校や病院、オフィスビルなどには人工的で近代的な看板が並ぶので余計に目立つ。茶色に黄色い独特の書体。
まるで南米のジャングルにたわわに実るバナナだろうか、それともウルグアイとかアルゼンチンの国旗の太陽みたいな黄色? いやいや、聞いたらカレーライスをイメージしているらしい。
店名
TAPIOLLA タピオラ
業種
喫茶、漫画、スパゲティ、ピラフの店
創業年
1983年(東京ディズニーランド開園と同じ年)
制作者
馴染みの看板屋さんが制作した。当初は木枠で囲みで作られていたが、喫茶店と分かりづらく、今の看板は二代目。設置から20年以上経っている。フォントが無い時代でオーナーが独特の字体にはこだわった。店内のガラスの看板はガラスに手彫りしたもので今となっては珍しい。茶色にこだわりはないが、文字の黄色はカレーライスの色。
素材
ベニヤ板
自慢できること
30年前学生だった人が50歳になっても訪れてくれる「帰ってこれる喫茶店であること」
看板メニュー
ナポリタン、ミートソーススパゲティ、ナポリタンピラフ
「タピオラ風」と付いているスパッゲティーとピラフはホワイトソースがかかっており、クリーミーでまろやか。ケチャップソースもホワイトソースもオーナーの手間と愛情が詰まった自慢の手作りソース。


その他、「カレースパゲティ」もタピオラの人気メニュー。
看板メニューはたくさんあるが、常連さんは自分だけの看板メニューを持っており、訪れるたびに同じメニューを頼むことが多いそう。常連のAさんに話を伺ったところ、タピオラ風スパゲティをいつも頼むとのこと。
ちなみに私はオーソドックスなナポリタンを10年以上毎回注文。食欲のない日はピザトーストを。
ここで一句。
タピオラの雪舞うようなヨーグルト
味わい冬の厳しさに打ちひしがれて
立春に俄かに期待する春の訪れかな
タピオラのヨーグルトを見つめていると、春が隣りあわせなのに、4月ごろまで、時折雪が舞う東北の冬を思い出させます。想像してみてください。白いヨーグルトはとても爽やかで、そんな厳しい東北の春でも、春風に吹かれて、ふわりふわり桜が舞う可憐な春の情景を思い出しはしませんか。
明日も看板を求め、みちのく一人旅はつづく。