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トレイにのったコーヒーゼリー

【仙台市】親子二代で営むケヤキ並木が望める喫茶店

定禅寺通に面した窓から、仙台が誇る美しいケヤキ並木を楽しめる!
親子2代で営んできた自家焙煎珈琲店「珈巣多夢(カスタム)」。ネルドリップで淹れるおいしいコーヒーを堪能しながら、オーナーの伊藤さんにお話を伺いました

Jun 15, 2022   

自家焙煎珈琲店「珈巣多夢」

定禅寺通で
長く愛されている喫茶店

仙台地下鉄南北線の勾当台公園駅公園出口2を出て、仙台が誇る美しいケヤキ並木をせんだいメディアテーク方面に進みます。
定禅寺通のシンボルともいえるイタリアの彫刻家エミリオ・グレコの作品「夏の思い出」像のすぐ近くのビル2階に、自家焙煎珈琲店「珈巣多夢」はあります。

ガラス扉に書かれた店名
店内はコーヒーの心地よい香りに包まれています

ビルの階段を登り、「珈巣多夢」と書かれたドアを開けると柔らかいコーヒーの香りに包まれます。店内はカウンターも含め14席で、約10坪の広さ。床も壁も渋い色をしていて落ち着きます。カウンターでは、お店の方がコーヒーポットからネルドリップでゆっくりとお湯を注ぐ姿が見えました。

オーナーの伊藤さんがコーヒーを淹れている様子
自家焙煎のコーヒーは、オーナーの伊藤さんがネルドリップでじっくり丁寧に淹れてくれます

外を見ると、ケヤキの木が窓を覆っています。
「父がここに店を構えた頃は、ケヤキの木のてっぺんが窓と同じ高さで、枝や葉に触る事が出来たらしいんです」そうおっしゃるのは、現オーナーの伊藤さん。
そんなケヤキも今では店を覆うほどの立派な大木に成長したケヤキは、四季を通して市民や観光客を楽しませています。

店内から見えるケヤキ並木
窓からはケヤキ並木と同じ目線で景色を楽しめます

珈巣多夢の歴史

「珈巣多夢」は、自家焙煎のコーヒーが自慢のお店です。創業当初、定禅寺店はオーナーである伊藤さんのお父様が経営していました。

「珈巣多夢」は、仙台駅前に「BOBO(ボボ)」として1976年にオープンしました。BOBOという名前は音の響きから名付けたそう。BOBOの店舗を仙台駅前から広瀬通に移転したのは1979年、現在の定禅寺通のビルに移転してきたのは1982年で、その時に「珈巣多夢」に改名されました。

店名の「珈巣多夢」は、お店の看板商品である「珈琲」から1文字、そして商売や家の繁栄、幸運を表し縁起が良いとされる鳥の「巣」から1文字取って名付けら、人が「多」く集まり、「夢」を語り合える場所になるようにとの願いが込められているそうです。創業当初は24時間営業で、場所柄、様々な職業のお客さんが、出勤前や休憩中、仕事帰りなどに一息つきに来ていたとのことでした。

お父様は現在、定禅寺店を息子さんに譲り、青葉区柏木で姉妹店を営んでいます。親子二代で眼鏡に髭というスタイルで、「立派な髭を蓄えたマスターがおいしいコーヒーを淹れる店」として広く知られ、映画に登場した事も。

初代オーナーの写真と「BOBO」のロゴ
写真は若かりし頃の初代オーナー。向かって右の「BOBO」のロゴとキャラクターは丸っこくて可愛らしい印象

お店には40年来の常連さんからサラリーマン、若い方まで幅広い層が訪れます。

会話を楽しむお客さんもいれば、静かにコーヒーを味わい、他のお客さん同士の話をBGMにしてゆっくり過ごす方もいました。

常連さんの中には、「コーヒーがおいしいことはもちろん、伊藤さん一家が大好きでここに来ている」と話す方もいました。

そんなお客さんの想いを表すかのように、店内にはお客さんが描いてくれたという伊藤さんの娘さんのイラストなどが飾られていました。

お店は、伊藤さんの奥様も手伝っています。小学3年生の娘さんも顔をのぞかせ、メニューの説明をしたり、食事を座席まで運んできてくれたりと微笑ましい姿が見られました。

自慢のコーヒーと人気メニュー

ページェントブレンド

白いカップに入ったコーヒー

お店に伺った日は「SENDAI光のページェント」の開催期間だったので、限定の「ページェントブレンド」を注文しました。コーヒーの味はすっきりと澄んだ味の一杯です。

使用する豆と焙煎度合いは毎年違うそうで、今年はコスタリカをはじめ9種類の豆をブレンドしていました。カップとソーサーは、お客様の雰囲気や服装に合わせて選んでいて、常連の方の中には、その方のお気に入りのカップで提供することもあるそう。

また、お代わりは半額になるサービスを行なっています。居合わせた常連さんは「カフェオレボウルに入れられたミルクたっぷりのカフェオレがまろやかでおいしい」と話していました。コーヒーが苦手な方や小さなお子さんも、カフェオレならおいしいコーヒーを無理なく味わえます。

コーヒーゼリー

断面が二層のコーヒーゼリー

コーヒーゼリーはコーヒーに気泡を立てて冷やし固めることで、二層になっています。口に入れた瞬間、しゅわしゅわ、つぶつぶの食感が爽快でやみつきになります。シロップとミルクを多めにかけると、甘さが口いっぱいに広がりとても幸せな気分になります。

トーストメニュー

やけ目の付いたピザトースト

ピザトーストは、創業当時から変わらない定番メニュー。厚めに切った食パンにケチャップとサラミ、たっぷりチーズがたまりません。

皿にのったゆで卵

フルーツとイチゴソースがトッピングされたヨーグルト

甘いはちみつが染みたはちみつトーストも昔からの人気商品です。創業当時から「ゆでたまご」か「ヨーグルト」のどちらかを一緒に選ぶことができます。モーニングなどのサービスがきっかけで始まったようです。

サンドイッチ

タマゴサンドとフルーツサンドの断面

サンドイッチは、定番のタマゴサンドの他、フルーツサンドがあります。
タマゴサンドは塩・胡椒のシンプルな味付け。
フルーツサンドはコロナ禍で営業するにあたり、デリバリーにも対応出来そうな商品をご夫婦で新しく考えたうちの一つだそうです。生クリームは甘さ控えめで、大きめにカットされたいちごや桃はジューシー。食べ応えがあり、コーヒーにもよく合います。

受け継いだ
コーヒーの味を守って

伊藤さんは飲食店などを経て「珈巣多夢」を継ぎ、立派な髭を蓄えてコーヒーを淹れています。

コーヒーの淹れ方と豆の焙煎の基本のみお父様から教わり、それ以外は自分なりに学び工夫を重ねたそうです。その甲斐あって、仙台を離れた常連さん達も、伊藤さんのコーヒーをインターネットで注文してくれるそうです。

「父の教えはすごくシンプル。『10人いたら2人はおいしいと言ってくれるコーヒーを目指せ』それが信条でした。お気に入りのコーヒーの味は人それぞれですが、自分が淹れたコーヒーが誰かの特別なコーヒーになり、遠くに住んでいても注文してくださるのが本当に嬉しいです」と、伊藤さんは話します。

「珈巣多夢」の初代オーナーと現オーナーの顔写真
常連さんが撮ってくださったという写真。左が初代オーナー(伊藤さんのお父様)、右が現オーナーの伊藤さん。コーヒーを淹れているお二人の姿はそっくり
「珈巣多夢」を営むご家族
3人で良いチームワークを発揮する素敵な伊藤さんご一家。お店のお客さんと奥様・娘さんがオーナー伊藤さんの自慢だそう

自家焙煎珈琲の店「珈巣多夢」
住 所 宮城県仙台市青葉区国分町3丁目2−2 2階
営業時間 11:00〜20:00 (日曜日は18:30まで)
※2022年6月現在、営業時間は状況次第で変更あり
定休日 月曜日
サイト http://coffee-custom.com/
Twitter @coffeecustom
Instagram @coffee__custom

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