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そのままの自分ができること
東郷清丸 日々の歩み【前編】

 ミュージシャン / 活版印刷職人として活躍する東郷清丸さん。
 アルバム『2兆円』、『Q曲』など数々の作品を生み出し、そのほかにも様々な活動で楽しませてくれる東郷清丸さんに、大学生の早坂春音が生活や音楽の話をお聞きました。
 前編は東郷清丸さんのミュージシャン、「きよまる!ザ・ワールド」の活動におけるものづくりの考え方などをお聞きしました。

May 6, 2020       

宮城県、松島の外れに住む音楽を作る大学生、早坂春音。
自分が思うかっこいい大人、なりたい大人。大学生として、これからの未来に不安や疑問、そして期待を抱きながら、そんな大人たちと公開雑談。では、いってきます。

連載「あなたの話を聞きたい」第3回

そのままの自分ができること
東郷清丸 日々の歩み

僕が東郷清丸さんを知ったのは2019年の11月。割と最近ですが、東郷清丸さんの音楽を聴いていると「その人にしか出せない音楽」を感じ、また東郷さんご自身が好きな音楽の要素を混ぜ込んでしっかり作り込まれているところが、僕のストライクゾーンにピンポイントでハマりました。
それから音楽だけでなく、それから、音楽だけではなく、YouTubeでは「きよまる!ザ・ワールド」というチャンネルをを開設しています。


 

音楽づくり、景色との出会い

早坂春音(以下、早坂)
さっそくですが、今好きなアーティストはいますか?

東郷清丸(以下、東郷)
ここ最近好きなのはイスラエルのバンドで「バターリング・トリオ」や、ポルトガルの「ブルーノペルナーダス 」とか。
アメリカの音楽だと「アンノウンモータル・オーケストラ」とか「ダーティー・プロジェクターズ」、あとはカナダの「ファイスト」。

僕の意識だと、アメリカ・イギリスが音楽業界的にも中心地って感じがあるんですけど、それらを知りながら日本の音楽としてやったのが、細野晴臣さんとかYMO、山下達郎さん、ユーミンですね。

そして、そういう人が他の国にもいるっていうのがわかったんです。アメリカ・イギリスの音楽も知りつつ、ちゃんとその国の空気が入っている音楽。
今あげた「バターリング・トリオ」とか、「ブルーノペルナーダス 」はジャズやネオソウルとかの要素が入っていて今の時代に聴きやすい音楽で、「バターリング・トリオ」だったら中東の旋律が入っていたり、「ブルーノペルナーダス」は土の香りがするような感じがして。

早坂
その国の良さとか、その人の音楽の良さみたいなことですよね。

東郷
そうですね。
なんか意識しすぎてないというか、ちゃんと自分の音楽をやろうとしてやっている感じがするんですよね。
聴くと発見も多いし、驚きが多い音楽が好きですね。

早坂
僕もその人が好きな音楽とか、その人の感性などがメロディーで感じられるアーティストがすごく好きです。

そういった点で、音楽を作るときに大事にしていることはありますか?

東郷
ぼーっとしている状態が一番いいなって思っています。
一回机を離れると生活のことを考えるじゃないですか。

東郷
例えば、初めて行った旅先の景色を見て「わぁー!」ってなったり、緑の多さにびっくりしたり、空が広いとか。
そういうなんでもない「はっ」っていうことが音楽を作っている時でもやって来るので、それを見逃さないようにしたいから、なるべく余計なことを考えない状態を作ろうとしています。

早坂
考え込むよりも出会いのような感覚なんですね。

東郷
出会いと言うかチャンネルが合うと受信できるみたいな感じがありますね。
 

「きよまる!ザ・ワールド」素である時の本質

早坂
僕、東郷さんのVLOG「きよまる!ザ・ワールド」が大好きなんです! 日常生活の中にその人の本質が見える気がして、番組として大好きです。
特に「BEAMS PLAN Bの合宿in山中湖」の回が好きで、僕も音楽を作っている身として曲が出来る過程やその中での生活を見れてとても面白かったです。

「きよまる!ザ・ワールド」を始めたきっかけは何ですか?
 
#027 ~🎸BEAMS PLAN Bの合宿in山中湖🥁~ 【VLOG】

東郷
いつも写真を撮ってくれている後藤洋平さん(gtP)が企画してくれて、作っているのも後藤さんです。
後藤さんはいつも新しい情報を一早く入手するんですよ。それで「きよまる!ザ・ワールド」ができる1〜2年前から、「日常を記録をするようなビデオブログを清丸もやったほうが良い」って後藤さんが言っていたんです。

でも、僕とか制作チームの髙田唯さん(Allright Graphics)は「あ、そうなんですね〜」とか言ってるだけだったの(笑)
それでついに「超ドQツアー」が始まったロケの時に「Go Pro渡すから撮ってみてよ」って言われて、一応撮ってそれを後藤さんに渡して編集してみたら「確かにこれすごく良い気がする!」となり、それから始まりました。

東郷
そしてタイトルを決めようってなった時に唯さんと後藤さんの間で「『なるほど!ザ・ワールド』の感じで『きよまる!ザ・ワールド』がいいね」ってなって、唯さんがロゴを作ってくれて、「じゃあこれでやってみるか」となって進んでいきましたね。

僕はたくさん考えて素材を撮っているわけではなくて、心が動いた時に撮っておくんですけど、なるべくいろんなことを意識しないようにしています。後藤さんが作りたいものより素の僕が垣間見えるところこそ皆観たいと思うから、という感じですね。

早坂
完全に僕はそれにハマっている訳ですね(笑)

東郷
そうです(笑)
ほんのちょっとの仕草とかでこういう人なんだなっていうのが見えて来たりするし、僕も油断している時こそ、そういうのが出ていてそれを見返すのもまた面白いから、僕自身も毎週動画が上がるのが楽しみなんですよね。


 


東郷清丸

1991年横浜生まれ。幼少期からバスケットボールで培った身体感覚と合唱コンクールの指揮者で養ったカンのようなものをベースに16歳頃から作曲を始める。童謡からポップス/ロック/ブラックミュージック/ラップなどの音楽のみに留まらず、人の会話や虫の鳴き声や車のエンジンや換気扇の回る音にいたるまで、耳に入るもの全てに感銘を受けながら音楽表現に取り組むソングライター。演奏時は弾き語り、エレキ+リズムマシンを用いたソロ、他プレーヤーを迎えてのバンド編成など、場所にあわせて自由な形をとる。 東郷清丸オフィシャルホームページ https://kiyomarization.com/

※この取材は、2020年1月25日、1to2BLDG「BUNKASAI ”文化祭” vol.1 印刷と音楽」の際に行われました。

協力 きどころね企画
撮影 小畑琴音
タイトルデザイン 早坂春音

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BGM of "BGM"

antennasiasan (vocal) とNerve (track) により1999年に結成。ブリストル・サウンド、ダブなどをルーツとする。アルバムごとに音楽性の幅を広げつつ、一貫して、sanのヴォーカルを軸としたトリッピーなサウンド/ベース・ミュージックを追求している。現在(2018年)まで、国内外のレーベルから、8枚のオリジナル・アルバム、3枚のリミックス・アルバムを発表。