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株式会社シマ商会/
南相馬に本社を置く「シマ商会」がアツイ!!

 福島県南相馬市。東日本大震災で甚大な被害を受けたこの場所で、グローバル企業があるのを知っていますか? その企業とは「株式会社シマ商会」。中古トラックや建機の買取販売、自動車のリサイクル部品やタイヤ・ホイールの販売、自動車リサイクルなどを手掛けています。会長であるお父さまから事業を引き継ぎ、東北を代表する企業に育て上げた島一樹社長に、これからのビジネスについて伺いました。

Feb 29, 2020   

人の心を動かす優れた仕事をしている方にお話を聞く特集 “お仕事の極み”

日本から、世界のインフラ作りに貢献

南相馬に本社を置く「シマ商会」がアツイ!!

南相馬の地で
もう一度立ち上がる


シマ商会の今までとこれからについて熱くお話しくださった島社長

 シマ商会の創業は、1975年。南相馬で島社長のご両親2人だけで始めたチリ紙交換がすべての始まりでした。

 「いわゆる“スクラップを集めてお金にする”という仕事ですよね。それ以来、リサイクル事業を中心にビジネスを展開していたのですが、2011年3月11日の東日本大震災をきっかけに、事業の方向性を切り替えました」と、島社長は話します。

 震災で大きな傷を負った南相馬の地で、もう一度立ち上がる決断をした島社長。「ここに本社を置きながら、全国そして世界を相手にできる商材は何か考えたんです。それで、質の高い日本製のトラックなど“はたらくクルマ”の輸出と国内での買取販売に主軸を切り替えました。日本の車は中古車でも品質がよく、世界で高い需要があるからです。これであれば、どこを本拠地に置いても勝負ができる」。

 “はたらくクルマ事業”は、現在は売り上げの半分を占めるまでになりました。さらに、売り上げも6期連続過去最高を更新し、その成長には目を見張るものがあります。その好調の理由を島社長に聞くと「10年前から始まった新卒採用が大きいと思います。シマ商会という会社の文化が強くなってきて、離職率も下がってきたんです」と教えてくれました。社員一人ひとりが「経営計画書」なる手帳を手に、方針を毎朝読み合わせすることで、社員としての価値観を共有することができるのだといいます。


「シマ商会」の企業理念がつまった「経営計画書」。社員のみなさん全員が持っています


店頭にズラリと並ぶトラック。国内のトラック販売は「グットラックshima」として展開(写真提供:株式会社シマ商会)

やる気のある人材に
活躍のフィールドを

 ある社員の方が「社長は、一人ひとりの社員をきちんと見ている」と評するように、社員の個性を大事にするのが島社長の経営者としてのポリシーのひとつ。「価値観を共有して、その人の個性を色濃くしていくという戦い方をしているので、人事異動のときはそれを意識しています。分析力がある人、マニュアル通りにできる人、人情味がある人、発想力がある人…それぞれ個性ですからね」と島社長。どのような個性を持つ人も、活躍の場があるのが、「シマ商会」なのです。


国内・海外での営業担当、工場でパーツを取り外す技術者、お客様の元に商品を届ける仕組みづくりの担当など、様々な役割を持った方が働いています

 そんな中でも、海外で活躍の場を求めたい人にとって、シマ商会は絶好の場所。現在、“はたらくクルマ”の輸出先は、60カ国で、取引先の多くはデジタルマーケティングや、現地での直接営業で発掘します。

 「海外営業は1年目の社員もやっていますよ。大企業にいたら、3年以上かけて主任になってから……みたいな仕事も、うちでは1年目から主体性を持ってできる。だから、チャレンジしたい人にはいい会社。実は、今日カンボジアに旅立った1年目の社員は、うちに入るまで海外に行ったことがなかったんですよ。そんな彼も、ちゃんと成果を出していますからね。しかも、面接がすごかったんです。『今、内定を3つもらっていますが昨日全部断りました。社長、自分の覚悟わかりますよね?』と言われて(笑)。もう採用するしかないじゃないですか。そんな人材に、活躍するフィールドを与えるのが僕の仕事なんです」。


カンボジアでの様子。お客様とお食事をしながら親睦を深めます(写真提供:株式会社シマ商会)

ミッションは、
地球を傷つけないことと
世界のインフラを作ること

 シマ商会としての、これからのミッションを伺いました。

 「リサイクルで資源を循環し、これ以上地球を傷つけないこと。“はたらくクルマ事業”では世界のインフラ作り。日本って、台風も地震も火山もあって、災害大国じゃないですか。戦後70年、今この日本があるのは、何度も国が壊されながらも町を立て直してきた“はたらくクルマ”があったからなんですよ。そんな世界一の基準の“はたらくクルマ”を僕たちは世界に持っていける。日本の“はたらくクルマ”で日本と世界の生活と仕事を変え、常識を変える――。それが我々のミッションです」。

 さらに、今後のビジネスの展開として「世の中の遊休資産となっている“はたらくクルマ”をなくしたい」と話します。昔は大手ゼネコンが重機やトラックなどの“はたらくクルマ”を所有していましたが、今はリースがメインとなっているそう。その現状を踏まえ、島社長は「使えるのに使われていない“はたらくクルマ”が減れば、経済的な効率がいいと思うんです」と言います。

 世の中の経済循環をよくする意味で、遊休資産をゼロにする。これが、シマ商会の次なるトライ。島社長は「実際、リースも始めているのですが、今はまだ60台くらい。自社で買い取ってできる強味を活かしたい」と、目を輝かせて語ってくれました。

親から言われて育った言葉
そこにあなたの
“ギフト”はある

最後に、これから社会に出る、もしくは今社会で戦っている若者に向けてのメッセージを伺いました

 「“ギフト(=生まれ持った長所)”を大切にしてほしい。みんな、自分の長所を捨てて戦おうとしている気がするんです。自分の短所を言うのは簡単なのに、自分の長所がどこかわからないっていう子が多いですよね。でも、子どもの頃から親に言われている『優しいね』とか『いつも笑ってるね』っていうような言葉はギフトなんだと思います。だから、過信はせず、だけど自信を持って社会に出ていってほしいです。ちなみに僕は両親から『ちょろちょろしてる』って言われてて(笑)。全くその通り。今もほとんど会社にいなくて、現場に行っています(笑)」


自動車リサイクル率99%を目指す、リサイクル施設「ゆめ工場」


広い工場内で、様々な部門に分かれて自動車を解体していきます


技術者が自動車から部品を一つ一つ手作業で分解します


重機のオペレーションには、相応の経験と技術を要します


倉庫の中には、車のドアからマフラーなどが、パーツごとに収められています

シマ商会のスタッフさんに話を聞きました

採用担当は会社の
“顔”になるので責任重大!

営業サポート部採用チーム 佐々木 睦さん


佐々木さんは「シマ商会」の面接を受ける人たちと会社をつなぐ、重要なお仕事を任されています

 富谷市出身の佐々木睦さんは、仙台大学を卒業後の2018年に「シマ商会」に入社。現在は、営業サポート部採用チームで新卒、中途の採用を担当しています。「自分らしく楽しく働きたいと思って、この会社を選んだ」という、佐々木さんのお仕事について伺いました。

 大学までバスケに夢中だった佐々木さんは、就活当初は、スポーツ関係の企業を考えていたそう。しかしながら、合同企業説明会で「シマ商会」の当時の採用担当者と出会い、その人柄に魅かれたと言います。「すごく優しくて、あったかい感じがする女性で。入社してから、その先輩と一緒に働いていたのですが、昨年別の部署に異動されました。今では、私がその先輩が担当していた仕事を任されています。会社の“顔”になるので責任は重大ですが、先輩のようになれたら…と思いながらがんばっています」と笑顔をのぞかせます。

 「私もまだ偉そうなことは言えないですけれど……(笑)。若い人たちには、広い視野を持ってほしいです。“こういう人もいるんだ、こういうこともあるんだ”と受け止めるだけで、考え方が広がると思うんです」。後輩にメッセージを送るその姿には、先輩社会人としての誇りが垣間見えました。

 

※こちらの記事は、2020年2月29日河北新報朝刊に掲載されました。

●株式会社シマ商会

 1975年創業。福島県南相馬市に本社を置き、中古トラックや建機の買取販売、自動車のリサイクル部品やタイヤ・ホイールの販売、自動車リサイクルなどを手掛ける専門商社。 https://shima-corp.com/company/
Posted in FEATURE, 特集 お仕事の極みTagged ,
岡沼美樹恵
大学卒業後、東京の出版社でTV誌の記者として勤務。その後フリーランスのライター、編集、翻訳・通訳に。得意分野はエンタテインメント、インタビューと食。食べることと旅することが大好きで、夢は世界一周グルメツアーに出ること。

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BGM of "BGM"

antennasiasan (vocal) とNerve (track) により1999年に結成。ブリストル・サウンド、ダブなどをルーツとする。アルバムごとに音楽性の幅を広げつつ、一貫して、sanのヴォーカルを軸としたトリッピーなサウンド/ベース・ミュージックを追求している。現在(2018年)まで、国内外のレーベルから、8枚のオリジナル・アルバム、3枚のリミックス・アルバムを発表。