1分コラム

宮城看板放浪記 第一回 「タピオラ」

古き良き宮城の街並みをかたちづくっていた証。それは看板! 古くなるほど愛しさつのる。ライターりりっくれおなるどが、看板の声に耳を傾け一句したためる。今日も看板を求めさまよう、みちのく一人旅。

Apr 29, 2018     


 

 
仙台駅東口から歩いて5分。EKITSUJIとBiViを通過して蕎麦屋を左に曲がる。すると、すぐ左手にある雑居ビル。ビルのれんがと同じ赤茶色のひときわレトロでノスタルジックな看板がある。周囲の予備校や病院、オフィスビルなどには人工的で近代的な看板が並ぶので余計に目立つ。茶色に黄色い独特の書体。まるで南米のジャングルにたわわに実るバナナだろうか、それともウルグアイとかアルゼンチンの国旗の太陽みたいな黄色? いやいや、聞いたらカレーライスをイメージしているらしい。
 
 


店名 
TAPIOLLA タピオラ

業種  
喫茶、漫画、スパゲティ、ピラフの店

創業年
1983年(東京ディズニーランド開園と同じ年)

制作者
馴染みの看板屋さんが制作した。当初は木枠で囲みで作られていたが、喫茶店と分かりづらく、今の看板は二代目。設置から20年以上経っている。フォントが無い時代でオーナーが独特の字体にはこだわった。店内のガラスの看板はガラスに手彫りしたもので今となっては珍しい。茶色にこだわりはないが、文字の黄色はカレーライスの色。

素材
ベニヤ板

自慢できること
30年前学生だった人が50歳になっても訪れてくれる「帰ってこれる喫茶店であること」

看板メニュー
ナポリタン、ミートソーススパゲティ、ナポリタンピラフ


 
 

この日、筆者がヨーグルトと一緒に注文したのは、定番のオーソドックスなナポリタン。
「のむヨーグルト」は秘伝のレシピで作った特製

 
 
「タピオラ風」と付いているスパッゲティーとピラフはホワイトソースがかかっており、クリーミーでまろやか。ケチャップソースもホワイトソースもオーナーの手間と愛情が詰まった自慢の手作りソース。
 
 

ホワイトソースが濃厚で魚介とキノコが絶妙な「タピオラ風スパゲティ」

 
 

ピザトーストも絶品。分厚いパンにとろりとしたチーズが食欲をそそる

 
 
その他、「カレースパゲティ」もタピオラの人気メニュー。
看板メニューはたくさんあるが、常連さんは自分だけの看板メニューを持っており、訪れるたびに同じメニューを頼むことが多いそう。常連のAさんに話を伺ったところ、タピオラ風スパゲティをいつも頼むとのこと。
ちなみに私はオーソドックスなナポリタンを10年以上毎回注文。食欲のない日はピザトーストを。
 
ここで一句。
 

タピオラの雪舞うようなヨーグルト
味わい冬の厳しさに打ちひしがれて
立春に俄かに期待する春の訪れかな

 
タピオラのヨーグルトを見つめていると、春が隣りあわせなのに、4月ごろまで、時折雪が舞う東北の冬を思い出させます。想像してみてください。白いヨーグルトはとても爽やかで、そんな厳しい東北の春でも、春風に吹かれて、ふわりふわり桜が舞う可憐な春の情景を思い出しはしませんか。
 
明日も看板を求め、みちのく一人旅はつづく。
 

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りりっくれおなるど
栗原市産まれの仙台市民。写真やファッション、音楽、映画が大好き。靴コレクションは100足突破。栄養士として、学んだ知識と鍛えられた舌で仙台の美味しい物を探している。営業で培った人脈で、食べ物や音楽、アート、洋服などで、仙台を盛り上げる事が目標。いまは立ち飲み屋で吉田類と飲む事が夢です。

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antennasia san (vocal) とNerve (track) により1999年に結成。ブリストル・サウンド、ダブなどをルーツとする。アルバムごとに音楽性の幅を広げつつ、一貫して、sanのヴォーカルを軸としたトリッピーなサウンド/ベース・ミュージックを追求している。soundcloud